30周年を迎えて

  

 町田エスペラント会の活動は、設立以来、30年間にわたって、日常的な活動としての初級から中上級までの学習会の他、エスペラントを通じた国内、また国外の交流を行ってきました。エスペラントで行われる催しもあれば、日本語で行う会合もあります。まじめな会合(総会!)もあれば、楽しい行事(文字どおり「ゆかいな会合」という名のAmuza Kunveno!)もあります。会員同士の親睦を深める集まり(合宿など)もあれば、会の外の方からお話をうかがう機会(ザメンホフ祭など)もあります。エスペラント界内の集まりへの参加(各種大会やセミナーなど)もあれば、エスペラントにこれまで縁がなかった人にも向けられた企画(講演会や映画上映会)も行ってきました。メーリングリストや会誌での会員同士の情報交換、ウェブサイトでの外への発信も行っています。

 

折しも猛威を振るっているコロナウィルス感染の拡大もそうですが、環境問題や紛争問題など、地球規模で取り組まなければならない課題がたくさんあります。しかし、人の頭の中は、まだ、19世紀から20世紀に世界を席巻した「国民」意識にとどまっていて、国をこえる仲間意識、連帯感は弱いままです。それを強めるには、頭のなかだけではなく、実際の行動でつながりをつくっていく必要があります。エスペラントは、お互いが歩み寄る共通のことばによる交流を通して地球人(エスペラントでhomarano)意識を醸成することをめざしています。地域に根差しつつ地球人としてのつながりを具体的に紡いでいく、地道な、しかしやりがいのある活動に一緒に参加してくれる仲間を待っています。

 

 

2020610

 

町田エスペラント会会長 

 

木村護郎クリストフ